発達障害で障害年金は受給できる?申請のポイントを社労士が解説

発達障害(ADHD、ASD、学習障害)でも障害年金を受給できることをご存じですか?この記事では、自身も障害年金を受給している長門市の社労士が、受給条件、診断書のポイント、働きながらでも受給できるかなど、実例をもとに分かりやすく解説します。

目次

発達障害とは?

発達障害は、生まれつきの脳機能の特性により、日常生活や社会生活に困難が生じる状態です。主に以下の3つのタイプがあります。

発達障害の主なタイプ

1. ADHD(注意欠如・多動症)

  • 不注意:忘れ物が多い、集中が続かない、ミスが多い
  • 多動性:じっとしていられない、落ち着きがない
  • 衝動性:考えずに行動する、我慢ができない

2. ASD(自閉スペクトラム症)

  • コミュニケーションの困難:会話が続かない、空気が読めない
  • こだわりの強さ:決まった手順にこだわる、変化が苦手
  • 感覚過敏:音・光・匂いに敏感

3. 学習障害(LD)

  • 読字障害:文字を読むのが困難
  • 書字障害:文字を書くのが困難
  • 算数障害:計算が困難

発達障害で障害年金は受給できる?

結論:受給できます!

発達障害でも、一定の条件を満たせば障害年金を受給できます。

受給できるケース

  • 仕事に大きな支障がある

    → 例:ミスが多くて注意される、人間関係がうまくいかない

  • 日常生活に支援が必要

    → 例:金銭管理ができない、スケジュール管理が困難

  • 就労が困難

    → 例:離職を繰り返す、働けない期間がある

  • 二次障害がある

    → 例:うつ病、不安障害を併発

よくある誤解

「発達障害は障害年金の対象外」と思っている方が多いですが、これは誤解です。

発達障害でも、日常生活や就労に困難がある場合は、障害年金の対象になります。

受給条件と認定基準

障害年金の受給条件(3つすべて必要)

1. 初診日要件

発達障害の症状で初めて医療機関を受診した日が、以下のいずれかに該当すること。

  • 20歳前(先天性の場合は20歳到達時)
  • 国民年金または厚生年金に加入している期間

注意: 発達障害は先天性のため、多くの場合「20歳前」が初診日となります。

2. 保険料納付要件

20歳前の初診日の場合:不要

20歳以降の初診日の場合:初診日の前日において、以下のいずれかを満たすこと。

  • 初診日の前々月までの被保険者期間の2/3以上の保険料を納付
  • 初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がない

3. 障害状態要件

障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)に、障害等級に該当すること。

障害等級の目安

等級 状態の目安 年金額(目安)
1級 日常生活に常に援助が必要
就労不可能
年間約98万円
2級 日常生活に援助が必要
就労が著しく困難
年間約79万円
3級 労働に制限がある
一般的な就労が困難
年間約59万円
(厚生年金のみ)

診断書作成のポイント

発達障害の診断書は、精神の障害用の診断書を使用します。

診断書で重要な項目

1. 日常生活能力の判定

以下の8項目について、どの程度できるか評価されます。

  • 適切な食事
  • 身辺の清潔保持
  • 金銭管理と買い物
  • 通院と服薬
  • 他人との意思伝達及び対人関係
  • 身辺の安全保持及び危機対応
  • 社会性
  • 日常生活の行動調整

重要: 「できる」ではなく「実際にできているか」を記載してもらうことが大切です。

2. 日常生活能力の程度

日常生活全体の困難さを5段階で評価します。

  • (1) 普通にできる
  • (2) おおむねできるが時には助言・指導を必要とする
  • (3) 助言・指導があればできる
  • (4) 助言・指導をしてもできない、または行わない
  • (5) できない

目安: (3)以上で2級、(4)〜(5)で1級の可能性があります。

診断書作成時の注意点

  • ❌ 「できる」と書かれている

    → 実際は家族の支援が必要なのに、「一応できる」と記載される

  • ❌ 具体例が不足

    → どのような場面でどう困っているかが伝わらない

  • ❌ 二次障害が記載されていない

    → うつ病や不安障害を併発している場合は必ず記載

働きながらでも受給できる?

結論:受給できます!

働いているからといって、必ずしも不支給になるわけではありません。

働きながら受給できるケース

  • 短時間勤務(週20時間未満)

    → 例:週3日、1日4時間のパート

  • 職場の配慮が必要

    → 例:単純作業のみ、人と関わらない仕事

  • 頻繁に休んでいる

    → 例:月に何度も欠勤、遅刻・早退が多い

  • 家族の支援が必要

    → 例:出勤前の声かけ、スケジュール管理

  • 就労継続支援A型・B型を利用

    → 障害者向けの就労支援施設での勤務

重要なポイント

「働いている」という事実だけでなく、「どのような状態で働いているか」が重要です。

  • 職場でどのような配慮を受けているか
  • 仕事以外の時間はどのように過ごしているか
  • 家族の支援がどの程度必要か

これらを診断書や申立書で詳しく説明することで、受給の可能性が高まります。

申請の注意点

1. 初診日の証明

発達障害は先天性のため、多くの場合「20歳前」が初診日となります。

注意点:

  • 子どもの頃に受診した病院のカルテが残っていない場合がある
  • 幼少期の通知表、母子手帳などが証拠になることも
  • 受診状況等証明書が取得できない場合は「第三者証明」を利用

2. 障害認定日の特例

発達障害の場合、20歳到達日が障害認定日となります。

つまり、20歳以降であればいつでも申請可能で、認定されれば20歳時点まで遡って受給できます。

3. 申立書の重要性

診断書だけでは伝わらない日常生活の困難さを、申立書で詳しく説明します。

記載すべき内容:

  • 幼少期からの症状・困りごと
  • 学校生活での困難(いじめ、不登校など)
  • 就労での困難(離職、トラブルなど)
  • 日常生活での具体的な困難(忘れ物、金銭管理など)
  • 家族の支援内容

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山口県長門市を拠点とする田村社会保険労務士事務所では、長門市・萩市・美祢市を中心に、発達障害の方の障害年金申請をサポートしています。

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まとめ

  • 発達障害(ADHD・ASD・LD)でも障害年金は受給できる
  • 働きながらでも受給可能(条件による)
  • 診断書の記載内容が受給の鍵
  • 申立書で日常生活の困難さを詳しく説明
  • 不安な方は社労士に相談を

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