長門市東深川の社会保険労務士、田村継です。
障害年金のご相談を受けていると、「話は聞いたことがあるけれど、保険料を払えていない時期があるから自分はどうせもらえない」と、最初の一言で諦めかけている方によくお会いします。
ですが、2025年(令和7年)6月に成立した「年金制度改正法」で、こうした方を救うための経過措置(直近1年要件)が10年延長されました。これは、ご自身やご家族が障害年金を考えるうえで、知らないと損をする話です。
この記事を読み終わるころには、「もう一度、自分の納付記録を確認してみよう」と思っていただけるはずです。
障害年金には「2つの納付要件」があります
【図解:2つの納付要件の比較】
※ 3分の2要件と直近1年要件の比較図をここに挿入
障害年金を請求するときは、初診日(その症状について最初に医師にかかった日)の前日の時点で、一定の保険料を納めていることが求められます。これを「保険料納付要件」と呼びます。
判定のしかたは、次の2つのどちらかです。
原則:3分の2要件
20歳から、初診日のある月の前々月までの期間のうち、保険料を納めた期間(または免除を受けた期間)が3分の2以上あること。
例外:直近1年要件
初診日のある月の前々月までの直近1年間に、保険料の未納期間がないこと。
この「直近1年要件」は、原則の3分の2要件を満たせない方を救うための特例です。若いころにきちんと納めていなかった方でも、初診日の直前1年さえきれいにしていれば、納付要件をクリアできる仕組みです。
なぜ「経過措置」と呼ばれているのか
この直近1年要件は、もともと期間限定の特例として設けられました。国民年金の強制加入が始まった1986年(昭和61年)4月以降、保険料を納める人が増えるまでの「移行期」という位置づけだったのです。
そのため、当初は2026年(令和8年)3月末までの時限措置とされていました。ところが、今回の改正で2036年(令和18年)3月末まで10年延長されることになったのです。
【タイムライン図:直近1年要件の延長】
※ 1986年→2026年→2036年の延長タイムラインをここに挿入
具体例:どんな人が救われるのか
【ケース1】学生時代に未加入だった方(30代)
- 20歳~22歳:学生時代、国民年金に未加入(未納36か月)
- 22歳~現在:厚生年金に加入して毎月納付
- 31歳で初診日
判定: 原則(3分の2要件)は満たせない。しかし、初診日の直前1年(30歳~31歳)は厚生年金で完納しているため、直近1年要件でクリア。
【ケース2】転職時に国民年金の手続きを忘れた方(40代)
- 20歳~35歳:会社員(厚生年金)
- 35歳~36歳:転職の空白期間、国民年金未納(12か月)
- 36歳~現在:再就職して厚生年金に復帰
- 43歳で初診日
判定: 原則要件は微妙。しかし、初診日の直前1年(42歳~43歳)は厚生年金で完納しているため、直近1年要件でクリア。
注意点とよくある誤解
1. 「初診日の前日」時点で判定される
保険料納付要件は、初診日の前日の時点で見ます。初診日の後で慌てて納付しても認められません。
2. 免除を受けていれば「未納」ではない
全額免除・一部免除・学生納付特例・納付猶予を受けていた期間は、「未納」にカウントされません。申請していなかった期間だけが「未納」です。
3. 初診日が65歳以降だと原則として対象外
直近1年要件が使えるのは、原則として初診日が65歳の誕生日の前々日までの場合に限られます。
今すぐ確認すべきこと
- ねんきん定期便または「ねんきんネット」で納付記録をチェック
自分の納付状況を確認しましょう。空白期間があっても、免除申請をしていれば大丈夫です。 - 初診日を特定する
診察券、紹介状、お薬手帳などから、「最初に医師にかかった日」を確定します。 - 初診日の直前1年に未納がないか確認
初診日のある月の前々月までの1年間を見ます。
専門家への相談が有効な理由
納付記録の読み方や、初診日の証明書類の集め方は専門知識が必要です。特に、以下のような場合は社労士に相談することで、スムーズに申請できます。
- 初診日がはっきりしない、または証明が難しい
- 納付記録に空白や免除期間が混在している
- 過去に一度不支給になったが、再チャレンジしたい
無料相談のご案内
「自分は直近1年要件に該当するのか知りたい」
「納付記録の見方が分からない」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
初回相談:完全無料
訪問・オンライン(Zoom・LINE)対応可能
080-6178-9367
まとめ
- 2025年改正で、直近1年要件が2036年3月末まで10年延長
- 若いころの未納があっても、初診日の直前1年がクリーンなら受給可能
- まずは「ねんきんネット」で納付記録を確認しよう
- 判断に迷ったら、専門家(社労士)に相談を
「どうせ無理だろう」と諦める前に、ぜひ一度ご自身の記録を確かめてみてください。私たちがお手伝いします。